「この画像を500KB以内に」と言われると一言で済む作業に聞こえますが、実際は午後いっぱいかかることがよくあります。1枚開いて圧縮し、サイズを見て、足りなければもう一度圧縮して、次のファイルへ。原因は、多くのツールが品質スライダーを1本しか用意していないことにあります。ファイルサイズは品質・ピクセル数・フォーマットの3つで同時に決まるからです。この3つを正しい順番で一度に設定すれば、1枚ずつ試さなくても全部まとめて片付きます。
以下の設定はすべて画像一括処理で一度だけ組んでおけば、そのまま全画像に適用できます。
まず「指定サイズ」が何を指すのかを確認する

プラットフォームが言う「サイズ」には2種類あります。1つはファイルサイズ(「2MB以下」など)、もう1つはピクセル寸法(「長辺2000px以内」など)です。上限が両方指定されていることも珍しくありません。応募フォームなら「JPG、200KB未満、295×413ピクセル」、ECモールなら「1600×1600以上、3MB未満」といった具合です。
作業前に両方を書き出しておいてください。この2つは後の手順を分けるからです。ピクセルの制限はリサイズ手順の設定値を決め、容量の制限は品質とフォーマットの設定値を決めます。品質スライダーだけで容量を追いかけるのは、いちばん遠回りなやり方です。
3つのつまみを、この順番で調整する
1つ目のつまみ:ピクセル数。4000×3000のスマホ写真は1200万画素ですが、2000×1500に縮めると300万画素。同じ品質ならファイルサイズはおよそ4分の1になります。3つの中でもっとも効果が大きく、見た目への影響はほとんどありません。画面表示やWebページ用なら、長辺1600〜2000ピクセルで十分すぎるほどです。
パイプラインでは「サイズ」の手順を「長辺 2000」にし、「拡大を許可」はオフのままにします。小さな画像が逆に引き伸ばされることはありません。
2つ目のつまみ:フォーマット。写真はJPGかWebPにします。同じ画質ならWebPのほうがJPGより25〜35%小さくなります。スクリーンショットやアイコン、透過のある画像はPNGのままにして256色パレットをオンにすると、たいてい6〜7割は削れます。投稿先がJPGしか受け付けないなら、素直にJPGを選んでください。数キロバイトのためにWebP非対応のリスクを取る必要はありません。
3つ目のつまみ:品質。JPGとWebPでは75〜85%がちょうどいい範囲です。95%と見比べても目ではほとんど区別がつかないのに、容量は半分以下になります。まず80%で全体を実行し、それでも超えたものだけを70%でやり直してください。
巨大なファイルと小さなファイルが混在しているとき
1つのフォルダに、8MBのカメラ原本と150KBのスクリーンショットが一緒に入っていることはよくあります。心配はいりません。1セットの設定で全部に対応できるので、事前の仕分けは不要です。
- 大きなファイルは「長辺 2000」で縮小されたあと品質80%で圧縮され、300〜600KB前後に収まります。
- 小さなファイルはもともと2000ピクセルを下回っているため、リサイズ手順では触れられません。圧縮してかえって大きくなる場合も、デフォルトの「元より大きいファイルは出力しない」ルールにより、元のファイルがそのまま残ります。
ですから、1つの設定で小さな画像がぼやけてしまう心配はありません。スキップされるか、軽く再エンコードされるだけです。このパイプラインに入れてはいけないのは、元のピクセルを完全に保持する必要があるもの、たとえば印刷用のマスターデータくらいです。
よくある上限別の目安設定
最初の一手として使い、結果を見ながら調整してください。
- 応募用・証明写真:200KB未満。サイズは「1200×1600に収める」、JPG、品質80%。まだ超えるなら品質を70%まで下げます。ピクセルをこれ以上減らすと、たいてい受付側の最小サイズを割ってしまいます。
- ECモールのメイン画像:1MBまたは3MB未満、1600px以上。サイズは「1600×1600を埋める」、比率1:1でトリミング、JPG、品質85%。白背景の商品写真なら、おおむね200〜500KBに収まります。
- メール添付:合計10MBまで。サイズは「長辺 1600」、JPG、品質75%。写真30枚で合計6〜8MB程度です。
- Webのギャラリー:できるだけ小さく。サイズは「長辺 1920」、WebP、品質78%。ページ全体の画像容量は、たいてい3分の1以下になります。
証明写真のようにピクセル数が厳密に決まっている場合は、先に画像サイズ変更で1枚だけ仕上げておき、そのうえで全画像をパイプラインに通して容量をそろえるとよいでしょう。
圧縮後に確認すること
パイプラインは、各ファイルの処理前後の寸法とサイズを一覧で表示します。見るべきポイントは3つです。
- 赤で表示されたファイルはないか。これは小さくなるどころか大きくなったもので、たいていJPGをPNGに変換したことが原因です。JPGに戻せば解決します。
- いちばん大きいファイルはまだ上限を超えていないか。超えていたら品質を5〜10ポイント下げ、そのファイルだけ再実行します。
- ランダムに2枚を開き、100%表示で輪郭と文字を確認する。品質80%なら違和感はないはずです。ブロック状の色むらが見えたら、品質を下げすぎています。
一度設定して、全体を実行し、はみ出したものだけやり直す。流れはこれだけです。1枚ずつ試すよりも時短になるうえ、ツールからツールへ渡すたびに起きる再エンコードの画質劣化も避けられます。一括処理を組み合わせる全体像については、画像を一括処理する方法もあわせてご覧ください。
